2015年09月17日 07:38

【安保法案】SEALDs・奥田愛基さん「夏休みだけの活動じゃない」(発言詳報)

カテゴリ:日々のくらしカテゴリ:転載
以下は昨日のハフィントンポスト日本版ニュースより転載、抜粋したものです。


(*ハフィントンポストについて知りたい方はまずこちら↓を。
http://wired.jp/2013/03/29/huffpost-jimmy-mayman/




【安保法案】SEALDs・奥田愛基さん「夏休みだけの活動じゃない」(発言詳報)



参院の安全保障関連法案の質疑が大詰めを迎える中、反対デモを国会前などで展開してきた学生団体「SEALDs」メンバーの奥田愛基さん、本間信和さん、芝田万奈さんが東京の日本外国特派員協会で会見し、外国人記者らの質問に答えた。




奥田さんは「この数カ月で200カ所以上、累計で130万人以上がデモに参加している」と紹介し「若者カルチャーという新しい動きが少しずつできている」と評価した。「スマホやパソコンの普及のおかげで、こういうデザインが誰にでもできるようになった」と背景を説明。コンビニで誰でも同じ印刷物をプリントできる「ネットプリント」の普及で、全国各地で同じデザインのプラカードを使っていること。YouTubeでの安保法案への解説動画など、ソーシャルメディアを見て、各地で若者が立ち上がっていると解説した。
与党は今週中の法案採決を目指しているが、奥田さんは「デモは珍しいものでも何でもなくなった。僕も公聴会に呼ばれて話した。この間、声を上げていることが、単純に政治と分離されたところではなくて、政治に影響を与えている」として、「僕らが関知しないところで動いていることが重要。それは個人が主体的に動いているということを意味するからです。この法案がどうなろうが、主体的に動き始めた人はもう止まらないと思います」と意義を強調した。
「まだまだ台湾か香港の学生のようにできているかわからないですけど、日常の中でできることを出来る範囲でやっているという感覚がすごくあるので、革命を起こそうという気はまったくありません。普通に大学に行って、当たり前のことを当たり前のようにやる、ただそれだけ」とも述べた。
後、メンバーは質問に答えた。概要は以下の通り。


Q 法案成立後、今後の活動はどうなるのか。
奥田:大学生の夏休みだけの活動ではないということを強調したいです。来ている方は20代がいれば30代、40代、50代、70代もいます。日本各地で世代、地域を越えて人々が声を上げています。このつながりが僕はそのまま選挙にも影響を与えると思っています。つまり我々は世代を超えて、ある程度の支持政党、政治思想を超えて、ある一点の目標を掲げて共闘することは可能なのです。そして毎週ほぼすべてとはいいませんが、主要野党政党は来て頂いているので、選挙に協力をして頂ければ、我々としても次の選挙は応援しやすくなるのではないかと思います。現在では賛成議員を落選させようというのが合言葉のように使われています。法案が通るまでの運動とは違う運動になりつつあるのではないかと思います。
Q 安保法案は合憲という解釈もある。議会制民主主義の中でどれだけの議席を取るかが問題だ。どうやって政権交代に持っていこうという戦略があるのか。
奥田:9割以上の憲法学者が違憲だと言っている。元最高裁の判事も言っている。政府は、基本的な論理は変わっていないから合憲だと言っている。ですが、基本的な論理が変わっていなければ、同じ問いを投げかければ同じ答えが返ってくるはず。回答が変わっているわけですから、論理が変わっているとみるのが正しい日本語だと思うわけです。また、世論調査を見れば分かるとおり、この法案に日本国民の多数が納得しているとは思えません。前回の選挙の時に、菅官房長官が言っているとおり、集団的自衛権は争点になっていません。議会制民主主義を支えているのは憲法なので、憲法を大事にして頂きたい。
自民党の総得票数は2割弱しかないわけです。ぜひ、僕も議会制民主主義は大事だと思うので、選挙に行って頂きたいと思うわけです。この法案はそれでも、議会制民主主義の中で通ってしまうでしょう。しかし、議会の中で多数派だから何でもしていいのかは、よく考えて頂きたい。政府関係者は口をそろえて「国民は理解していないかもしれないが、通さなければいけないものは通す」と言っている。「本当にそれでいいんでしょうか。次の選挙にも影響を与えますよ」と、今日も声を上げます。
Q 新たに政党を立ち上げる気はあるのか?
奥田:スペインのポデモス(注:2011年のスペインでの大規模デモを契機に2014年に発足した政党)みたいな政党を見て、ある意味うらやましいと思うこともあるわけです。けど、僕は政党を作る気はまったくありません。まだその段階に来ていないことと、日本ではまた違った形で今の動きが政治に影響を与えるのではないかと思うからです。一つのチョイスとしてはあると思うのですが、2011年以降、政党が乱立するようにできている中で、新しい政党ができたからといって現状が変わるとは思っていないので、それよりも社会の中でできることがあると思っています。まずは政治に対して主体的な人がもっともっと増えるべきだと思っています。
Q 18歳に選挙権が与えられることで、日本社会にどのような影響があるか。
本間:僕は最初にデモに参加したときに、大学の友達から、デモに行くって怖いという印象をずっと聞いてたんですけど、ここ3カ月ぐらいでも大学の友達のリアクションも変わってきているし、安保法制に限っていればデモが世論を動かしているという印象も僕の友達は持っています。政治運動にもっと主体的に参加していくこともありかなと、政治に対するイメージが変わってきているのかなと思っています。デモには制服姿の高校生も見られます。高校生が日本の政治に興味を持っていないという言説はそこまで信憑性がない。言いづらいけど興味は持っているという状況があるのではないかと思います。高等教育の段階で自分の頭で考えたり、上から知識を注入されるだけでなく、自分がどう考えるか討議したり議論したりするのを取り入れていくことが今後重要ではないかなと思っています。
Q ネット上では右翼などから攻撃を受けているようだ。運動の重要性が強まるにつれ、こうした攻撃がデモから学生を遠ざけることはないか?
奥田:ネット上では「在日朝鮮人がやってる」といったものや、かなり個人情報的なこと、髪形が、顔がと攻撃してくる人がかなりいます。そういうカルチャーにおびえてというか、発言すると叩かれたりすることで、何か不利益があるんじゃないかと、なかなか日本では政治参加や発言がしにくかったと思うんです。そういうところで負けていたところもたくさんある。そういうものに負けないカルチャーを作らなければならない。
Q 日本の大学生は政治や社会問題について討論することを好まない。何が変えたのか。安保法制か、過去3年の安倍政権か。
奥田:考えていなかったわけではない。言ってもいいという雰囲気ができてきたということと、憲法とか民主主義という根幹的なところが問題になっている。逆に政治家も学者も我々一般市民も、同じ土俵で議論ができるということではないか。ただ、実際の大学の雰囲気はどうかというと、僕もこういう活動をしている学生とかわらないと思います。普通に遊んで、友達と話して、その中で少しだけ政治のことを話せるということだと思います。
Q 日本の学生は世界一おとなしい、従順だ、非政治的だという評価が長いことありましたが、アラブの春やニューヨークの「ウォール街を占拠せよ」、あるいは香港、台湾など、同世代の動きにインスパイアされたことはありますか?
奥田:もちろん多分にあると思います。「Tell me what democracy looks like」は「ウォール街を占拠せよ」や世界中で使われているものをYouTubeで見ていたし、アラブの春やトルコのゲジ公園を守る運動など、ほとんどネット上で、海外の友達が流していたものを見ていました。彼らが考えていること、思っていることは、デモクラシーがイシューとしてあったと思う。留学生との交流の中で、アジアの中のデモクラシーがどうあるべきかということも話し合ったりした。
Q この法案が通ったら、若い皆さんに将来どういう影響があるか。大学の中でも留学生、中国や韓国の留学生がいると思いますが、彼らはこの法案をどう見ているか。
本間:1点目の質問ですが、自衛隊でなく自衛官になったという部分。自衛官が戦地に派兵されたときにリスクが高まるということは言えるのではないか。また安保法案だけでなく、憲法解釈によって憲法が変えられる前例が作られることで、憲法が軽んじられる風潮がつくられることが大きな問題だと思っています。具体的な状況を想定することは難しいですが、憲法がないがしろにされることが常態化するのは、どのような国家にとっても危険なのではないかと思います。
奥田:中国が脅威だと国会でもかなり言っていて、中国の留学生が「このまま戦争になってしまうのか」と強い危機感を持って話しかけてくれる人もいました。また日本国内のヘイトスピーチが起きている中で、より他国の脅威をあおることが差別的なものにつながらないのかという生活レベルの危機感を訴える人もいました。




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続けて同じくハフィントンポスト日本版ニュースより、中央公聴会でのSEALDs・奥田愛基さんの発言全文を転載します。
NHKはこの中央公聴会をテレビ中継しませんでした。
理解に苦しみますよね。(ーー;)






【安保法案】SEALDs・奥田愛基さん中央公聴会に 「路上に出た人々が社会の空気を変えた」(全文)


安全保障関連法案を審議する参院の特別委員会は9月15日、採決の前提となる中央公聴会を開き、与野党が推薦する6人の公述人が意見を述べた。
このうち、安保法案に反対し、毎週末などに国会前でデモをしている明治学院大学生で学生団体「SEALDs」の奥田愛基さんは「国民投票もせず、解釈で改憲するような、違憲で法的安定性もない、そして国会答弁もきちんとできないような法案を作ることなど、私たちは聞かされていない」と批判し、廃案にすべきと訴えた。また、デモについて「新しい時代はもう始まっています。もう止まらない」と話し「政治家とはどうあるべきなのかを考え、この国の民の意見をきいてください」と話した。
また、蓮舫議員(民主)から「安倍首相に言いたいことは」と質問され「このまま強行採決することは国民を無視する行為だと端的に思います。憲法解釈を変えるのではあれば、国民投票で国民の意思を問うて下さい。このまま通してしまうのは採決以前の問題でしょう。そして、もしよろしければ国会前の抗議を見に来ていただけないでしょうか」、川田龍平議員(維新)の「仮に成立しても終わりではないと思うが、どうするか」に対しては「今の状況は、政治家に任せていられないと声が上がっているんです。主体的に連続的に各地で起こっているわけですよね。主体的に考え、動いている人たちは止まらないと思うんです。今の段階でさえも、問われている当事者だと言い切れますし、主権在民という国家に生きているのであれば、次の選挙でも我々が当事者だと思います」と答えた。
一方で和田正宗議員(次世代)は「昨夜のデモは夜9時を過ぎても、大音量が国会議員会館まで響いた。もちろん国会議員は批判されてしかるべきだが、永田町近辺にも住居がある。平穏なデモや抗議活動ができないものか」と批判した。
奥田さんの意見陳述の全文は以下の通り。
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あのー、すいません、こんなことを言うのは非常に申し訳ないのですが、先ほどから寝ている方がたくさんおられるので、もしよろしければ、話を聞いて頂けるようおねがいします。僕も2日間ぐらい緊張して寝られなかったので、僕も帰って早く寝たいと思っているので、よろしくお願いします。
SEALDsとは「自由と民主主義のための学生緊急行動」です。私たちは特定の支持政党を持っていません。無党派の集まりで、保守、革新、改憲、護憲の垣根を越えてつながっています。最初はたった数十人で立憲主義の危機や民主主義の問題を真剣に考え、5月に活動を開始しました。その後、デモや勉強会、街宣活動などを通じて、私たちが考える国のあるべき姿、未来について日本社会に問いかけてきたつもりです。こうした活動を通して、今日、貴重な機会を頂きました。今日私が話したいことは3つあります。
ひとつは、いま、全国各地でどのようなことが起こっているか。人々がこの安保法制に対してどのような声を上げているか。2つめは、この安保法制に関して、現在の国会はまともな運営をしているとはいいがたく、あまりにも説明不足だということです。端的に言って、私たちはこの法案に対して、とうてい納得することができません。3つめは政治家の方々への私からのお願いです。
まず第1にお伝えしたいのが、私たち国民が感じている安保法制への大きな危機感です。この安保法制に対する疑問や反対の声は、現在でも日本中で止みません。つい先日も国会前では10万人を超える人が集まりました。しかしこの行動は何も、しかも東京の国会前で行われているわけではありません。私たちがインターネットや新聞などで調査した結果、日本全国2000カ所以上、数千回を超える抗議が行われています。累計して130万人以上が路上に出て声を上げています。
この私たちが調査したものや、メディアに流れているもの以外にも、たくさんの集会があの街でもこの町でも行われています。まさに全国各地で声が上がり、人々が立ち上がっているのです。また、声を上げなくも疑問に思っている人は、その数十倍もいるでしょう。
強調しておきたいことがあります。それは、私たちを含め、これまで政治的無関心といわれてきた若い世代が動き始めていると言うことです。これは誰かに言われたからとか、どこかの政治団体に所属しているからとか、いわゆる動員的な発想ではありません。私たちはこの国の民主主義、未来について、主体的に一人一人、個人として考え、立ち上がっているのです。
SEALDsとして行動を始めてから、誹謗中傷に近いものを含め、様々な批判的な言葉を投げかけられました。たとえば、騒ぎたいだけだとか、若気の至りだとか、ほかにも一般市民のくせに、おまえは何を一生懸命になっているのか。というものまります。つまりおまえは専門家でもなく、学生なのに、主婦なのに、サラリーマンなのに、フリーターなのに、なぜ声を上げるのかということです。しかし私たちは一人一人、個人として声を上げています。不断の努力なくしてこの国の憲法や民主主義、それらが機能しないことを自覚しているからです。
政治のことは選挙で選ばれた政治家に任せておけばいい。この国にはどこかそのような空気感があったように思います。それに対し、私たちこそがこの国の当事者、つまり主権者であること、私たちが政治について考え、声を上げることは当たり前なのだということ。そう考えています。その当たり前のことを当たり前にするためにこれまでも声を上げてきました。
そして2015年9月現在、今やデモなんてものは珍しいものではありません。路上に出た人々がこの社会の空気を変えていったのです。デモや至るところで行われた集会こそが不断の努力です。そうした行動の積み重ねが、基本的な人権の尊重、平和主義、国民主権といったこの国の憲法の理念を体現するものだと、私は信じています。私は一人一人が思考し、何か正しいのか判断し声を上げることは間違っていないと確信しています。また、それこそが民主主義だと考えています。
安保法制に賛成している議員の方も含め、戦争を好んでしたい人など誰もいないはずです。
私は先日、予科練で特攻隊の通信兵だった方と会ってきました。70年前の夏、あの終戦の日、20歳だった方々は、今では90歳です。ちょうど今の私やSEALDsのメンバーの年齢で戦争を経験し、その後の混乱を生きてきた方々です。そうした世代の方々もこの安保法制に対し、強い危惧を抱かれています。私はその声をしっかり受け止めたいと思います。そして議員の方々もそうした危惧をしっかり受け止めてほしいと思います。
今、これだけ不安や反対の声が広がり、説明不足が叫ばれる中での採決は、そうした思いを軽んじるものではないでしょうか。70年の不戦の誓いを裏切るものではないでしょうか。今の反対のうねりは世代を超えたものです。70年間、この国の平和主義の歩みを、先の大戦で犠牲になった方の思いを引き継ぎ、守りたい、その思いが私たちをつなげています。私は今日、そのうちのたった1人としてここで話をしています。つまり、国会前の巨大な群像の1人として、国会に来ています。
第2に、この法案の審議に関してです。各世論調査の平均値を見たとき、初めから半数近い人は反対していました。そして月を追うごと、反対世論は拡大しています。理解してもらうためにきちんと説明していくと、現政府の方はおっしゃっています。しかし説明した結果、内閣支持率は落ち、反対世論は盛り上がり、この法案への賛成意見は減りました。
選挙のときに集団的自衛権に関してすでに説明したとおっしゃる方々もいます。しかしながら自民党が出している重要政策集では、アベノミクスは26ページ中8ページ近く説明していましたが、それに対して安保法案はたった数行しか書かれていません。昨年の選挙でも、菅官房長官は集団的自衛権は争点ではないと言っています。さらに言えば、選挙の時に国民投票もせず、解釈で改憲するような、違憲で法的安定性もない、そして国会答弁もきちんとできないような法案を作ることなど、私たちは聞かされていません。
私には政府が、法的安定性の説明をすることを途中から放棄してしまったようにも思えます。憲法とは国民の権利であり、それを無視することは国民を無視するのと同義です。また、本当に与党の方々は、この法律が通ったらどのようなことが起きるのか、理解しているのでしょうか。想定しているのでしょうか。先日言っていた答弁とはまったく違う答弁を翌日に平然とし、国会の審議は何度も何度も速記が止まる状況です。このような状況で、いったい国民はどうやったら納得したらいいのでしょうか。
SEALDsは確かに注目を集めていますが、現在の安保法制に対して、この国民的世論を私たちが作り出したのではありません。もしそう考えていられるのでしたら、それは残念ながら過大評価だと思います。私の考えでは、この状況を作り出しているのはまぎれもなく現在の与党の皆さんです。つまり、安保法制に対する国会答弁を見て、首相のテレビでの理解しがたいたとえ話を見て、不安に感じた人が国会前に足を運び、また全国各地で声を上げ始めたのです。
ある金沢の主婦の方がFacebookに書いた国会答弁の文字起こしは、瞬く間に1万人もの人にシェアされました。ただの国会答弁です。普段なら見ないようなその書き起こしをみんなが読みたがりました。なぜなら不安だったからです。
今年の夏までに武力行使の拡大や集団的自衛権の行使容認をなぜしなければならなかったのか。それは人の生き死にに関わる法案で、これまで70年日本が行ってこなかったことでもあります。いったいなぜ11個の法案を2つにまとめて審議したか、その理由もよく分かりません。1つ1つ審議してはだめだったのでしょうか。まったく納得がいきません。結局、説明した結果、しかも国会の審議としては異例の9月末まで伸ばした結果、国民の理解を得られなかったのですから、もうこの議論の結論は出ています。今国会での可決は無理です。廃案にするしかありません。
私は毎週、国会前に立ち、この安保法制に対して抗議活動を行ってきました。そしてたくさんの人に出会ってきました。その中には自分のおじいちゃん、おばあちゃん世代、親世代の人、そして最近では自分の弟や妹のような人たちもいます。たしかに若者は政治的に無関心といわれています。しかしながら現在の政治的状況に対して、どうやって彼らが希望を持つことができるというのでしょうか。関心が持てるというのでしょうか。
彼らがこれから生きて行く世界は、相対的貧困が5人に1人と言われる超格差社会です。親の世代のような経済成長もこれからは期待できないでしょう。今こそ政治の力が必要なのです。どうかこれ以上政治に対して絶望してしまうような仕方で議会を運営するのはやめてください。何も賛成からすべて反対に回れというのではありません。私たちも安全保障上の議論は非常に大切なことを理解しています。その点について異論はありません。しかし、指摘されたこともまともに答えることができない、その態度に強い不信感を抱いているのです。
政治生命を賭けた争いだとおっしゃいますが、政治生命と国民一人一人の生命を比べてはなりません。与野党の皆さん、どうか若者に希望を与えるような政治家でいて下さい。国民の声に耳を傾けて下さい。まさに、義を見てせざるは勇なきなりです。政治のことをまともに考えることが馬鹿らしいことだと思わせないでください。現在の国会の状況を冷静に把握し、今国会での成立を断念することはできないでしょうか。世論の過半数を超える意見は明確に今国会中の成立に反対しているのです。自由と民主主義のために、この国の未来のために、どうかもう一度、考え直してはいただけないでしょうか。
私は単なる学生であり、政治家の先生方に比べ、このような所で話すような立派な人間ではありません。もっと正直に言うと、昨日から寝られないくらい緊張してきました。政治家の政治家の先生方は毎回、このようなプレッシャーに立ち向かっているのだと思うと本当に頭が下がる思いです。1票1票から国民の思いを受け、それを代表し、この国会という場所で毎回答弁をし、最後は投票により法案を審議する。本当に本当に大事なことであり、誰にでもできることではありません。それは、あなたたちにしかできないことなのです。
ではなぜ、私はここで話しているのか。どうしても勇気を振り絞り、ここに来なくてはならないと思ったのか。それには理由があります。参考人としてここに来てもいい人材か分かりませんが、参考にしてほしいことがあります。
一つ、仮にこの法案が強行採決されることがあれば、全国各地でこれまで以上に声が上がるでしょう。連日、国会前は人であふれかえるでしょう。次の選挙にももちろん影響を与えるでしょう。当然、この法案に対する野党の方々の態度も見ています。本当にできることはすべてやったのでしょうか。私たちは決して、今の政治家の発言や態度を忘れません。3連休を挟めば忘れるなんて国民を馬鹿にしないでください。むしろそこからまた始まっていくのです。
新しい時代はもう始まっています。もう止まらない、すでに日常の一部になっているのです。私たちは学び働き、食べて、寝て、そしてまた路上で声を上げます。できる範囲で、できることを、日常の中で。私にとって政治のことを考えるのは仕事ではありません。この国に生きる個人としての不断の、そして当たり前の努力です。私はこの困難な4カ月の中でそのことを実感することができました。それが私にとっての希望です。
最後に私からのお願いです。SEALDsの一員としてではなく、一人の人間としてのお願いです。どうかどうか、政治家の先生たちも、個人でいてください。政治家である前に、派閥に属する前に、グループに属する前に、たった一人の個であってください。自分の信じる正しさに向かい、勇気を出して孤独に思考し判断し、行動してください。
みなさんには一人一人考える力があります。権利があります。政治家になった動機は人それぞれ様々あるでしょうが、どうか政治家とはどうあるべきなのかを考え、この国の民の意見をきいてください。勇気を振り絞り、ある種賭けかもしれない、あなたにしかできない、その貴い行動を取ってください。日本国憲法はそれを保障し、何より日本国に生きる民一人一人、そして私はそのことを支持します。
困難な時代にこそ希望があることを信じて、私は自由で民主的な社会を望み、この安保法案に反対します。2015年9月15日、奥田愛基。

































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